2018-01-01から1年間の記事一覧

合理的選択は悪なのか

「命に値段つけるのか」指摘、薬の値段意識調査を中止〔読売新聞〕|医療ニュース|Medical Tribune こんな記事を読みました。 内容は、薬の値段が効果に見合っているかを明らかにするため、厚労省が延命期間と薬の値段の関係を調査していたが、「命に値段を…

続・教育困難大学の教育に疲れる(追記あり)

教育困難大学の教育に疲れている話をもう少し続けてみます。 特に虚無感を覚えるのはゼミです。 教育困難大学ではよくあるパターンかと思いますが、ゼミは全員履修することになるものの、単位は必修ではありません。クラス担任、つまり全ての学生にケアテイ…

教育困難大学の教育に疲れる

お久しぶりです。 割と始めたばかりだというのに、1カ月近くもブログを放置してしまいました。 コンスタントに更新していこうと思っていたのに…。 しかしまあ、無理をしても続きませんので、これでよしとしましょう。 理由は、論文の締め切りに追われている…

104歳の研究者、安楽死へ

結構注目度が高いようで、このニュースは数日にわたってあちこちで目にしますね。 104歳になるオーストラリアの研究者デービッド・グッダルさんが、希望していた安楽死を実現するため、クラウドファンディングで得た資金でスイスへ旅立ったそうです。 www.cn…

ノーベル平和賞!?

北朝鮮情勢がホットですね。 もちろん平和に向かって欲しいですし、北朝鮮の現政権には落ち着いてもらいたい。 ところで、南北首脳会談で朝鮮半島の非核化を目指すことを合意した宣言が出され、にわかに文大統領、金正恩氏、トランプ氏がノーベル平和賞を受…

転職先として他大学をどう判断するか

新年度に採択された科研費が、早くも検索サイトに反映されていますね。 不採択だった人の審査結果の詳細も発表されている様子。 ところで、転職活動中で、研究者の求人サイトであるJRECINのチェックを日課にしている私。 応募可能な公募が出た時に気になるの…

同分野のルーキーたちに対して

まだまだこの業界では若手と呼ばれることも多い、30代後半の私ですが、最近たまに、同じ研究分野の博士課程の院生さんなど、本当に若い人々と話をする機会があります。 その時に私が最も意識していることは、彼らを(ただ若く、まだ駆け出しであるというだけ…

地縁のない場所への転職について考える

msr2do.hatenablog.com 上の記事で以前書いた通り、私の現職は任期付きであり、目下転職活動中です。 今年度は正規職(任期なし)に絞って手当たり次第に出すつもり…でした。 私の分野でもポツポツと公募が出始めています。しかし、自分ではどんな地域だって…

漫画村騒動に見る海賊版問題

表題と関係ありませんが、私はスポーツはやる方も見る方もまるで関心がなく、全然知らなかったのですが、大坂なおみさんというテニスの選手は、日本語カタコト(ネイティブではない様子)なのですね。 ところで、漫画村という、漫画を違法に無料で読めるサイ…

「インチキ論文」の見破り方教育

学期が始まるとやはりバタバタと忙しい・・・。 しかし、始まる前は新学期を憂鬱にも感じていたものの、学生たちと交流するのは、やはり楽しいものですね。 子供の頃は教室の隅で本を読んでいたタイプの私は、大学教員にでもならなければ、ヤンチャで派手系…

新学期ですね

もう大体どこも新学期の授業が始まっている頃ですね。 授業準備に目途をつけてから4月を迎えたいと思っていましたが、結局叶わず。いくらか準備が終わっていないものが残ってしまいました。 さて4月の憂鬱といえば、学生の顔と名前を大量に覚えなければな…

大学授業料出世払い方式の是非

www.nikkei.com 大学授業料出世払い方式、というのが話題になっていますね。 私はこれ、割といいのではないかと思います。 大学在学中は政府が授業料を肩代わりし、卒業後は学生本人が返済していくが、所得が低ければ返済は免除される。 「結局貸与奨学金と…

科研費、勝因の自己分析

一昨日、無事採択されていたのを確認した科研費。 不正をしませんという誓約に同意してクリックしたり、減額された金額で予算を簡単に組みなおしたり、研究の概要や計画を簡単に書き直したりという手続きを進めています。 実際に交付されるのは6月頃であるも…

科研費、サクラサク

全国の研究者がドキドキわくわくする4月1日がやってきました。 そう、科研費の採否が発表される日です。 科研費というのは、学術研究のためのお金を国からもらうことができる制度で、大学教員などの研究者は、自分の研究がいかにすばらしいもので、この世…

優秀な学生がFランに入るといいことづくめなのか

www.moneypost.jp こんな記事がありました。 Fランというのは、誰も不合格にならないような偏差値の低い大学のことです。 優秀なのに経済的事情でやむを得ずそんな大学に入ったけれど、成績上位で4年間の学費免除、教授には目をかけられ丁寧な指導、資格講…

NHKワンセグ裁判、NHKの逆転勝訴

msr2do.hatenablog.com こちらで、3日前に「まだ判断は割れている」と書いたところでしたが、NHK敗訴の地裁判決が取り消され、高裁でまたNHK勝訴です。 www.nikkei.com NHKの現状に納得がいかない私としては、残念です。 しかし、争われているのが「設置」に…

学生に好かれるというテクニック

大学に就職してから目にするようになりましたが、後期末や卒業式前後になると、「自分のゼミ生たちが自分を慕ってこんなことをしてくれた、こんなことを言ってくれた」とやたら声高に報告する教員が若干名います。 失礼ながら、独断と偏見を承知で印象を述べ…

NHKのワンセグ裁判

はっきり言って、私はNHKという事業者が嫌いです。 まず、やり方に納得がいきません。特に最近は、あの手この手でカネをかき集めようとしているやり口はフェアではないと感じます。例えばホテルの1室ずつ契約すべしだとかね。 先日、最高裁でテレビを持って…

新年度の校務と授業担当

新年度の仕事内容が固まってきました。 面倒な委員会をひとつ引き受けることになりましたが、別の面倒な委員会が任期満了となるので、プラマイゼロといったところでしょうか。 授業の担当は数カ月前には固まっていましたが、この時期へ来て急な変更があった…

死と家族と

急に何だか過激なタイトルかもしれませんが、人生をふと考えてみる、というような趣旨です。 少し前に、90才を越えた祖父が亡くなりました。長患いもせず、平均寿命を大きく越えた大往生だったかもしれません。 昭和の頑固おやじといったタイプでしたが、…

研究ノートや書評の抜き刷り

同業者の皆さんは当然ご存知のことですが、論文を書いて学術誌に掲載されると、抜き刷りというものがもらえます。 これは、雑誌の自分が書いたページだけを綴じたぺらっとした冊子のようなもので、私が知る限り、30-50部、無料でもらえる場合が多いのではな…

教育困難大学教員の長期休暇

もっとゆったりしたい 2月3月は、大学は長期休暇なわけですが、なんだか全然時間の余裕がない。 教育困難大学ならではの学生サービス的なイベントの準備やら、それらに動員をかけられたりやら、様々な学内委員会(教務、入試、就職支援等等々、たくさんある…

井の中の裸の王様蛙

レスリングの伊調馨さんのパワハラ問題で、至学館大学の谷岡学長が記者会見を行ったことが話題になりましたね。 一部映像で見ましたが、この谷岡郁子氏、非常に横柄で高圧的な物言いで、「(渦中の監督)栄さんはパワーがないからパワハラのわけがない」だと…

事の重大さが…

www.asahi.com 昨日、「なぜ東大卒などの優秀な官僚たちが、バレかねないのにこんなとんでもないことを」と書きましたが、どうも実際に書き換えた人はキャリア官僚じゃないらしいですね。 キャリア官僚じゃなければ納得なのかと言われたら、全くそうではあり…

私の自己防衛

森友問題がすごいことになっていますね。 権力による直接的間接的(忖度含め)な影響で税金が不公正に使われたような事例って、発覚しなかったものがこれまでにもきっと他にもあったんだろうと思うと…。 ところで、今朝の情報番組で「後でばれる可能性がある…

卒業式とゼミ生

卒業式のシーズンですね。 我々教員は年中行事であり、その直後には入学式が控えているわけですが、4年間の課程を終え卒業する学生の皆さんは、感慨ひとしおだろうと思います。 ちなみに私の勤務先での卒業式のスケジュールは、式に参列し、その後、割り振ら…

裁量労働制は労働者に自由をもたらすのか?

裁量労働制肯定派の記事を読んだので、ひっそり反論してみます。(いえ、面と向かって議論できるなら歓迎ですが、ただの無名ブログなので) どうもブログ的な個人のサイトに近いもののようなので記事は張りませんが、Aという保守系評論サイト主、IN氏の記事…

私の経済水準

昨日は大学教員の給料について書きました。しかし自分で読み返してみると、 「いやいや、そんなに一生懸命に大学教員の給料はこれぐらいあって妥当なのだと熱弁を振るわなくても、言うほど多くないよ」 という突っ込みも聞こえてきそうな気がしますね。 大学…

大学教員の給料

前回は労働について少しだけ書きましたが、では、大学教員はどれくらいお給料をもらっているのでしょうか。 言ってしまえば、当然ではありますがピンキリです。 ですが、ちなみに私の勤務先の場合、30代後半でざっくり年収700-900万円といったところです。40…

裁量労働制

今話題の裁量労働制。 大学教員もこれに当てはまります。 これについては言いたいことがありすぎて簡単には書けませんが、とりあえず私は激務です。 運良く儲かっていて規模の大きな大学にテニュア(正規のポスト)を得て、そこそこ上の立場になり、教育も研…