同分野のルーキーたちに対して
まだまだこの業界では若手と呼ばれることも多い、30代後半の私ですが、最近たまに、同じ研究分野の博士課程の院生さんなど、本当に若い人々と話をする機会があります。
その時に私が最も意識していることは、彼らを(ただ若く、まだ駆け出しであるというだけの)同じ研究者として尊重することです。
お互いいい大人ですし、同じ道を志す者として、当たり前といえば当たり前ですけどね。
これには、そんなキレイな正論だけではなく、経験から得た現実的な理由もあります。
私が大学院生だった頃、30-40代の若手・中堅研究者(つまり、大御所ではない)たちの中に、非常に横柄な人たちが数名いました。
学会で質疑応答の時間が足りなかったので個別に話しに行ったら、けんもほろろだったり、あからさまに面倒そうにまともに対応をしてもらえなかったり、馬鹿にするような話し方をされたり。
あるいは反対に、何か教えてくれようとするがとても高圧的で、こちらも「ああ、こちらを馬鹿にしているんだな」という態度が見える人もいました。
彼らはもしかしたら、「院生など自分にとって(学問的にも)何の利益ももたらさない上、勤務先大学の学生ではないのだから対応する義務もない」などと考えていたのかもしれません。
しかし、そういう院生もあっという間に年を取り、就職し、同じ(ような)土俵に上がるのです。
そうなった時に、自分の大学の教員でもないのに色々と教えてくれたり、丁寧に対応してくれた年上の研究者と、上記のような研究者では、印象が完全に異なります。
十数年たっていても、忘れません。(私が執念深いのかもしれませんが)
あっという間に狭い業界の同業者という立場になる人に、長年悪印象を残すなんて、残念以外の何物でもないでしょう。
研究者の業界に限った話ではないと思いますが、世の中存外早く時間は過ぎ、代替わりしていきます。刹那的に今の力関係で他者を軽んじてみるようなことは自分の得にもならないことだと思います。