優秀な学生がFランに入るといいことづくめなのか

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こんな記事がありました。

Fランというのは、誰も不合格にならないような偏差値の低い大学のことです。

優秀なのに経済的事情でやむを得ずそんな大学に入ったけれど、成績上位で4年間の学費免除、教授には目をかけられ丁寧な指導、資格講座も無料、学内のアルバイトを紹介してもらう、などいいことばかりだった、という記事です。

ちなみにこの記事の学生さんは地元の公立大学(国立ではない)に不合格だったそうで、地域トップの公立高校で上位1割の成績、誰もが知る一流大に入れたはず、というような書き方がされていますが、その設定からしてやや疑問です。

さて、それはそうと、本当に優秀な学生がFラン大に入学するといいことばかりなのでしょうか?

個人的には、答えはNOです。

優秀な皆さん、Fランなどに入ってはいけません。

上に挙げられているメリットは大体真実でしょう。特に、学費全額免除は非常に魅力的だと思います。なので、経済的にやむをえない場合は、志望校のレベルを大幅に下げて授業料免除という方法があることを覚えていて損はないと思います。

しかし、資格講座が無料だとか、学内のアルバイト紹介というのは、特段に優秀でなくても可能なFラン大学が多いでしょう。

アルバイトは、まじめでコミュニケーション能力が高く教職員に存在感をアピールしていれば紹介してもらえます。

資格講座はそもそも無料でやっているところも多いです。

教授に目をかけてもらえる、それも確かにそうでしょう。しかしこれも、学内で特別優秀でなければ丁寧に指導してもらえないわけではなく、まじめな学生、自分から指導してもらいたがってやって来る学生でも同様でしょうし、それに、今時優秀なゼミ生に就職を用意できるなんてケースはあまりありません。

 

そして、ボーダーフリーの教育困難大には、これらを補って余りあるデメリットがあります。

周囲のレベルが低すぎることです。

 

そもそもまともな授業ができないので、教授の水準に関係なく、授業で学ぶ内容は狭く低くなります。(教授は学生のレベルに当然合わせるので)

お遊びみたいな授業やゼミに終始するかもしれません。

周りの学生のレベルも低く、当たり前のことをやらない、そもそも話が通じない、それが学内では多数派。

そんな環境で自分を伸ばしていくことは至難の業です。

むしろ、ごく平凡なレベルの学生が、周囲のレベルが低いせいで「自分はものすごく優秀で特別な 存在だ」と勘違いしてしまい、ただ自意識だけが高く能力が見合っていない残念な人になっていってしまうケースもよく見られます。

 

また、就職の時もやはり大学名は見られます。採用試験でゼロから目の前の人物を評価するなど非常に困難ですから、大学名で、ある程度学力や努力の経験が図られることには、何の不思議もないでしょう。

就活で学歴フィルターに対する批判が巻き起こっていますが、確かにやり方は汚いなと思いましたが、学歴で判断されることは仕方がないと思います。

鶏口牛後という言葉もありますが、それでも、自分の水準よりあまり低すぎる場に来てもいいことはないのです。

鶏口であっても、 「上位に食らいつくために努力しないと」というレベルにいることをお勧めします。

 

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