混乱状態の中で新しい大学に

「新学期が始まる頃には収束してくれていないかな」三月が始まる頃はそんな風に皆、考えていたように思います。

しかし、むしろ状況は明らかに悪化。ついに緊急事態宣言が出されましたね。大学も今、全国でパニック状態かと思います。

そんな中で新しい大学に着任し、今学期の授業が一体どうなるのかはっきり見えてこない中で、私は淡々と研究や授業準備を進めています。

もっと、新しい研究室がどうだとか、職場環境はどんなだとか、今年度の研究上の目標だとか、わくわくしながら語りたいところでしたが、とてもそんな空気ではなく。

大学に学生の姿は少なく、食堂や売店はまともに営業せず、日々暗い情報が入ってきます。例えば、非常勤講師の給与支払い問題だとか。

授業開始を延期するから非常勤講師にその分の給与を支払わないとか言っている大学は恥を知れと言いたい。

 

全国の大学でオンラインでの授業を行うという発表が続々されていますが、果たしてできるんでしょうか。

早速こんなケースもあったようですが。

www.kyoto-np.co.jp

立命館のような大規模大でよく6日スタートできたなあと驚きです。

「便利な今どきのサービスや道具を使ってこんなに可能性が!教室で受けるのとそん色ない授業がオンラインで!」みたいな記事も読みますけれど、「できる人がいる」というのと、膨大な教員、膨大な授業の全てでそれを実行できるかはあまりにも違います。

「やる手段がある、ツールがある」というのと、現実的にもうスタートしている今学期に導入できるのかはどう考えても違います。

例えばサッカー選手なら30代でベテラン、あるいは引退する頃かもしれませんが、大学教員なんてなんなら40代で若手扱いされることも。普通に、平均年齢60代だったりします。年配教員にはICTなんてこれっぽっちも取り入れておらず、Eメールで精いっぱいな人も少なくないわけで。

「情報センター」のような部署がサポートすればいいって?数百、数千分の授業のサポートをできるようなマンパワーが現実的にあるはずありません。

また、1年2年かけて準備してきたならまだしも、3月末頃まで現実的に準備を始めていなかった状況で、中小規模の大学でも数百はある科目でオンライン化にどうやって対応するんでしょう。

その中には、非常に安い報酬でコマ単位で仕事をしている非常勤講師もたくさんいるのです。複数の大学でそれぞれ微妙に違う対応を求められた場合、授業をそれぞれ調整する手間はすごいことになり得るでしょう。グループワークやオンラインではできない課題をやる予定だった分は、あらたにオンライン対応可の授業内容を今から準備せよというのでしょうか?

非常勤講師のみで生計を立てている人は、週毎日3コマ4コマこなしているのです。学期外に準備した授業を、学期中はこなすのに精いっぱいです。

 

ここ数日他大学の友人と情報交換をしたりしていますが、その辺、謎も多いようです。具体的に決まらないままとりあえず方針を示しているのか、末端の教員まで詳細な情報を共有する余裕がないのか。

 

個人的な事情により家庭もちょっと暗いので、なかなか気が滅入ります。

皆さん、ふんばりましょう。