超富裕層の金への姿勢にもっと疑問を持つべし

本当は新年一発目に書きたかった話題なのですが、非常にめでたくないし気分の良くない話題なので敢えて避けました。何かというとカルロス・ゴーンの話題です。

以前もこんな記事を書いておりますが、今度の逃亡問題、本当に腹立たしい。

満を持してという感じで行われた会見も、特にどうということもない内容でしたね。ただただ強欲で自分の要求を通そうとするだけの人物で、頭の切れが人並外れているとか、信念を貫くとかいった印象もなければ、狡猾に抜け目ない感じでもない。

某大統領T氏を見ていても思いますが、世界のトップクラスの経営者って、こんな人物(もいる)なのかと、少々意外にすら思います。

msr2do.hatenablog.com

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ついでに、「そもそも日本の司法が悪い(から仕方ない)」などと言っている担当弁護士(もちろん日本人)も何なんでしょう。ひとつでも非があったらルールは全部無視してよいのですか?それでも法(ルール)の番人なのでしょうか。

政治的迫害だの日本の司法が前近代的などという主張で自らの容疑をごまかそうとしているように見えますが、彼の容疑はどう考えても政治とは無関係ですし、会見で何か出てくるのかと思いきや、「妄想?」という印象しかない。

更なる法を侵してでも手段を問わずに逃亡しようとする、カネとそれに基づく力をふんだんに持っている人間に対して、本人(ゴーン)が希望していたように自由の身にし、共犯者疑い(妻)とも自由に接触させた場合、それできちんと法の裁きが下るのでしょうか?彼自身が「逃亡の恐れがあるから釈放できない」という主張を裏付けてしまってもいます。

所謂人質司法を批判したいのであれば、正々堂々とそれを非難し、戦えば良いではありませんか。 有名人でカネも力もある彼は、メディアを通じて主張を広く述べる、国内外の弁護士や法学者と活動するなど、できることは一般庶民よりはるかに色々あったはず。釈放を求めていた際も、「費用負担するから自分を監視すれば良い」などと言い、カネのある自分だけが釈放されれば良いというスタンスだったし、妻もフランス大統領に便宜を要求するなど、「日本の司法制度が問題ありだと思うからそれを批判する」ではなく、「自分だけなんとかして欲しい」なわけです。

 

そしてそもそも彼のやったことは結局「ぎりぎり法の枠内だったか」「うっかり法律に触れたか」の 差であって、やったことは基本的に明らかなわけです。それはぎりぎり法の枠内だったとしても、超富裕層である多国籍企業経営者が、数万人の職を奪う一方であの手この手を使ってカネを自らの懐に入れ、税も逃れていたということであって、違法ではなくても、控えめに言って褒められた行為とは思えませんし、法の目をかいくぐった、脱法といえるのではないでしょうか。

 

ついでに関係ない話題に飛びますが、今、賄賂が問題になっているIR。

是非を論じる時に話題になるのはギャンブル依存症ばかりですが、個人的にはそれより問題なのは、果たしてこの政策で日本や日本の自治体に本当にいうほどメリットがあるのか?という点です。IRの事業者はほぼ外国企業となる見通しなわけです。

カジノという業種の多国籍企業が、果たしてきちんと真面目に納税してくれるんですかね。GAFAやらスタバやら、驚くべき方法でもって納税を回避していることは知られた話です。

www.asahi.com

お笑い芸人の徳井氏を責め立てるのにいまいち多国籍企業の租税回避が話題に上らないのは不思議な話で。選ばれたカジノ企業がこういう行動に出れば、日本は特にメリットもなく、ギャンブルを生業とする外国企業に儲けの場を提供するだけになりかねません。