差別的発言の蔓延

スギタ議員の発言、いやはやとどまるところを知らずすごいですね。

この人、今は自民党所属ですが以前は「日本のこころ」に所属していたようです。

立場としては保守の中でも最も保守な部類といったポジションなのでしょうが、何せ発言が極端です。良識ある保守政治家の皆さんの中にも、迷惑に思い辟易している人たちがいる様子。

LGBTは生産性がない」だとか、政府批判をしていた研究者が多額の科研費を取っていることに対するイチャモンだとか。政府支持派しか研究費がもらえないとしたら、それはどんな独裁国家ですか?額の多寡も、厳正な審査の上判断されているのです。文科相も「科研費は適正である」と発言しなければならなくなる始末です。また、民族差別的発言もありました。

彼女の言動を見ていると、これは理屈で考えた上での判断というよりも、自分が大切に信じている伝統や価値観(家族観、政治観、道徳観など)と相いれない主張に対する単なる攻撃のように思えます。

ゆえに、意見の合わない人間が理屈で話して互いに理解し合い尊重し合おうと試みても困難を極めるわけです。率直に言って、そういう人とは関わりたくないので、普段は避けて通ります。

ところが、避けられない場にもこうした人々は出現するんですね。どこかというと、自分の学生です。

差別的思想を堂々と主張する学生が時々います。大抵、ネットで流行っている嫌中、嫌韓女性差別(女性蔑視に加え、女性は過剰に優遇されていてズルい、といった言説)、障碍者差別、イスラム教徒への偏見などです。

こうした学生は、いかに冷静に滔々とそれが不適切であること、なぜ不適切なのか、根拠の乏しい非論理的な主張であるかを話しても、「でも自分の知り合いの〇〇人(あるいは女、〇〇教徒)はこんなにとんでもない奴だ。だから自分の考えは正しい」という結論からテコでも動きません。

「たかが1人あるいは数人の事例でなぜそれが断定できるのか、おかしいと思わないか」と問いかけても、「でも実際に自分の知り合いの〇〇は・・・」「友達に聞いた話でも〇〇は・・・」といったループです。せいぜい、フェイクニュースネット掲示板の一方的かつ歪んだ情報を振りかざすだけ。

そもそも彼らは論理的に自分の意見の正しさを検討したいと思っていないので、一見人間同士(私とその学生)が会話しているように見えても、彼らは話し合いのテーブルについていないのでしょう。ただただ、「自分と違う考えの人間に、そちらに行くつもりはないと返答している」だけのように思われます。

20歳そこそこの若者がこんなに差別主義的思想をもったまま、大学教育が無力にもそれを何ら変えることができないまま、社会に出ていくのかと思うと本当に嫌な気分になります。

杉田水脈議員の罪は、こうした若者たちに「国会議員が自分たちと同じ意見を言ってくれている」とお墨付きを与えることでもあるでしょう。

本当に辞めていただきたい。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログ 教育者(大学)へ
にほんブログ村