一応謝った体ってこんなに通じちゃうものなのか

森氏の女性蔑視発言問題、皆さんどう見ていますか?

またしても本筋ではないところで感じたことを一言。

 

森さんの謝罪と撤回時の発言て、心底反省し謝罪しているとは思えない明白な発言があったのに、IOCJOCも含め少なからぬ人々が「森さんは反省をし謝罪・撤回をされた」と言って、その前提で話を進めていることです。

他のケースでも「こりゃあ心から謝ってないよな」と思えることは多々ありますが、それでも「話し方に誠意を感じない」とか主観的な印象の域を出ないもの。

ところが、森さんは違います。以下2点から、もう言い訳のしようもなく、心から謝っていないことが明々白々なのです。

 

1.謝罪会見で「会長にふさわしくないと私は思う」と言った記者に対し、「面白おかしくしたいから言ってんだろ」とキレた。

2.発言を撤回したことに対し、「いちいち(海外などに、真意を)説明するのは時間がかかるので、撤回した方が早いと思った」と発言した。

 

1:森さんが、記者が彼の発言を非常に問題があると考え、深刻に批判する気持ちがあるとはそもそも考えていないから出てくる言葉でしょう。「会長にふさわしくない」という記者の発言は、深刻な批判ではなく、面白がって悪口を言っているに決まっていると、当たり前みたいに感じてしまっている。

 

2:これは更にどうしようもない明白な撤回の意思なしの表れと言えますが、発言を撤回したのは、間違っていたから、後悔し反省したからではなく、「(本当は発言は間違ってはいないんだけど、誤解があるようなので、その誤解を解くために自分の真意を)説明するのは時間がかかるから」だとはっきり本人が言ってしまっているのです。前後動画をばっちり見ましたが、もう実にはっきりこのようにご本人が言っちゃっています。

 

なんでこれで、「会長は反省し謝罪・撤回されている」などといえるのか不思議になります。こんなにも明らかに反省・謝罪の意思がないことがバレている(自分でバラしている)ケースも珍しいのに、関係組織や公職者の声明・コメントやら報道やら含め、結構、謝罪撤回はちゃんとした、という前提で話が進んでいるんですよね。もちろん「ちゃんと謝罪していない」という批判も大きいですが、JOCがその前提で声明を出していることに本当に驚きました。

それは違うだろうと思いますよ。謝罪・撤回は事実上していないでしょう。

でも、こういうことって「謝ったことにしときますよ」ぐらいに言ってのけたとしても、謝ったという事実があると扱われるんだなーと改めて驚いた次第です。

 

あと、病院経営者の高須さんが、「無償で尽力してきた病身の老人に対してひどい」とコメントされてますが、尽くして貢献してがんばった人だからといって、何を言っても・やっても許されるわけではありませんよ。

子供を虐待した親のことを、「子育てに自分を犠牲にして長年がんばった親を批判するなんて酷い」って言えます?言えないですよね。今回の森発言を大したことないと思っているからそんなコメントが出てくるのでしょう。虐待だったら誰もそんなことは言わないはずですから。

高須氏は病身の老人という点で自分と森さんを重ね、更に価値観やイデオロギーも(他の政治活動を見てても)近いのが見て取れますが、さすがにどうかと思いますね。舛添さんの発言なんかも、イデオロギー的共感が先走って理性と論理にあまりに欠ける発言をしちゃってると思います。

有名医師とか元都知事とか、立派な肩書のある方なのにこういう話し方をされると実にがっかりです。もう沈黙していた方がいいのに。