就活ルール廃止に関する私見

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経団連の就活統一規定が無くなるということが大きなニュースになっていますね。報道されている通り、正直形骸化していたと思いますし、現状追認というべきものでしょう。

賛否両論あるようですが、これで一層就活時期が早まると、大学にとっては更によからぬ状況が生じそうで懸念されるところです。

一言でいうと、就活は大学でなすべきことを大きく浸食しています。経団連のルールがなくなることでもし就職活動全体が早期化、長期化すれば、それを理由にした学生が授業を欠席をする期間が分散化、長期間するでしょう。さらに私が個人的に問題だと感じるのは内定後です。

内定後に学生にあまりに大きな負担を課す企業が多すぎるように思えます。研修、アルバイト、事前学習、お陰で学生は授業や卒論といった学生の本分に時間をさけません。アルバイトも平日日中に曜日や時間指定だったり、自社商品を暗記しろと、どう見ても短期間にパンフレット見て暗記できる量ではないものを命じられたり。

学生は堂々と、就活や内定先の方が重要だと主張し、配慮を求めてきます。そして、上位大学ではどのような状況かわかりませんが、少なくとも下位大学では、学生の就職率が広報上(新たな学生獲得のため)非常に重要ですので、大学側も配慮するべきというスタンスで、各教員に配慮するよう求めてくるのです。どういう配慮かといいますと、ろくに授業も出ていない、科目の内容を自習しているわけでもない学生に、なんとか単位をやれということです。卒論などにかける時間はない、という主張も当然のようになってきます。

経営に必死でなりふり構わない大学ももちろんどうかと思いますが、こういうことを入社前の学生に指示してくる企業は何なんでしょう。何でも言うことを聞くかどうか、忠誠心を試す権力者のようにも見えます。

画一的な就職活動の規定に対する批判も少なくないようですが、個人的には、経団連など団体の内部ルールなどではなく、新卒採用を行う全ての企業に、もっと遅めの日程をルールとして設定して欲しいものです。

まあ、これは大学(特に下位大学)の内部の人間からの視点であり、学生や企業には別の主張があることとは思いますが。

どんどん早め早めと前倒しになっていかないことを願います。