発表が苦痛すぎる学生
いやもう、笑いごとじゃないんですけど、笑っちゃいそうでした。
日大の4年生の学生が、授業での発表が苦痛なために休講になればいいと考え、爆破予告を偽装したとの事件です(事件自体は昨年10月のようです)。
全国紙に本名が出て、TVには顔まで出てしまったこの学生・・・。
今頃、どれだけ後悔していることでしょう。個人的には代償の大きさには同情します。
それにしても、この学生にとってそんなにも発表は苦痛だったのですね。
私のゼミにも、発表を大変苦痛に感じているらしい学生はいます。いつもいるといっていいでしょう。
しかし私は、連絡もなく休むなどのルール違反には多少厳しめに叱りますが、発表が拙いものである、水準が低いという理由で叱ることはありません。正直なところ、それほど苦痛に感じる必要もないだろうに、と思っています。
一流大学でもないわけですし、うちの大学にいる学生たちの水準で、できる範囲でがんばってくれれば褒めますし、いい評価を付けます。彼らの水準に見合った努力を、普通の大学教員は評価するはずです。
やり方がわからないというような場合も、自力で何とかしろなどと突き放さず、少なくとも最初はどうすればいいか教えてくれるはず。日大はうちよりレベルは高いですが、日大もそれほど厳しいことはないでしょう。
それでも、講義形式の授業は出席していて、まじめな様子の学生が、ゼミには全く顔を出さなくなり、発表をサボるという現象はよく起きます。どうしたのか聞いてみると、発表(およびそのための調べてまとめるという準備)が苦痛で、あるいはどうしたらいいのかわからない、自分にはできないからゼミだけは行けなかった、ということが少なくありません。
同じゼミには全然なってない発表をして平気な学生もたくさんいるので、恥ずかしいこともないだろうと思うのです。
私は研究者をやっているぐらいなので、研究発表は苦手ではありません。だから一層彼らの気持ちがわからないのですが、このニュースを見てしみじみ思いました。ああ、やはり彼らはそんなに苦痛なのか、と。