京大の論文不正
京大、続きますね。
iPS件の若手研究者が不正とは、残念な話です。
論文不正なんてもっての外。愚かなことをするなと腹立たしいですが、
その陰にある問題を見過ごすこともできません。
バレたら研究者生命にかかわる愚行に、エリート若手研究者が
なぜ走ってしまったのか。
それは、任期制ゆえのプレッシャーもあったようだと報道されていました。
現在、多くの若手研究者は、数年の有期契約で大学のポストに就きます。
その後のこと、数年後路頭に迷わないだろうかということを、
常に心配しているのです。
これによって、若手はすぐに結果が出るテーマ、ウケのいいテーマばかり
選ぶようになって、息の長い研究や、地味だが重要な研究が育たなくなる、
とういった批判はずっとされてきました。
もちろん、任期制導入以前には別の問題があったのであり、
別の問題への対処として、任期制が導入されました。
主には、就職したら途端に研究しなくなるお荷物教員がたくさんいた、
などが指摘されます。
しかしね、任期制の罪は大きいと思います。例えば、
大学側が任期更新という生殺与奪権を振りかざし、教員の意見を封殺し、
過剰な労働を課したり、若手が学長や理事長に気に入られるために汲々としたり、
互いに陥れ合い、足を引っ張り合ったり。
「働かない蟻」に腹を立て、全体を厳しく縛るのは良策ではないと私は
思います。働かない連中は一定数出現する仕方のないエラーとみなすことは
できないものでしょうか。