研究者志望の若者はなぜ減るのか

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こちらの、長谷川眞理子先生のインタビュー記事。一行目から最終行までもう余すところなく同感です。

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若手の研究者を任期付きで不安定な境遇に追い込んだ現在の制度がいかに若者を研究から遠ざけているか、自前で稼げる道を見つけよと国立大学の交付金を増減させる(減るところも必然的に出てくる)ことがいかに研究力を低下させるか、短期間で次々に成果を発表していくことが当たり前という風潮が、研究者に成果が短期間で出そうなテーマを選ばせることになり愚策な上にプレッシャーとなり、研究者から余裕を奪い、自由で創造的な研究を奪い、後進を育てる余力を低下させているか。

 

研究という分野の方針を決めるのにビジネスマンを有識者として招く政府は、「研究はカネになるかどうかが原則的に価値の有無大小と直結する」という価値観であまりに思考停止しているようです。

 

長谷川先生も記事で述べていますが、近年の日本人ノーベル賞受賞者が一人残らず「基礎研究をじっくりできる研究が大事」と言っているのに、耳を傾けない国。ちゃんと聞いて欲しい。

 

圧倒的大部分の大人は労働者として働く必要があります。大人になる時に有閑ブルジョワジーになるか労働者になるか選ぶわけではありません。

しかし、研究者は大人になる時に選んで研究者になるのです。ジョブチェンジも可能です。それなのに、「研究者は一貫して研究者という駒」とでもいいたげにも思えるこのシステム(任期付きで流動性を確保し優れた研究者がポストを得られるようにする)がビジネスマンが思うように機能しないのは当然なのではないでしょうか。