さすがに驚いた学生の言動

いやー、最近驚いた学生の言動がありました。

 

以前から、レポートの不正行為(主にネットのコピペ)に頭を悩ませていました。調べたことに出典をきちんとつけていないというレベルではなく(それも十分問題ですが)、自分の考察や感想の振りをして、ネットで拾ってきた他人の考察や感想を丸写しするという許容しがたいものです。(ついでに調べた内容も、もちろん出典もつけず同じウェブサイトから適当に選んで写しているケースが多数)

「これはやってはいけないことである」「盗用です」と口酸っぱく言っていますし、どう考えてもやってはいけないことだと明らかだと思っていたのですが。

 

先日、「レポートで明らかに盗用をした人たち(情けないが複数)がいる。だが、つい出来心でやってしまって反省するのならば、今回だけは、きちんとやり直したレポートの提出を認める」と受講生全員に伝えたところ、一人の学生が授業後やってきてこんなことを言うのです。

「僕のレポートは何点でしたか?」

「今はわかりませんが、どうして?ネットのを写してしまった?」

「うーん、覚えてないんですよね(微笑)」

「覚えてない?自力でやったか、ネットで見たものを丸写ししたか、覚えていないんですか?」

「うーん、よく覚えてないです。どうだったかなぁ(笑)」

「・・・(呆)。今はわからないので、研究室に確認しに来てくれれば教えることはできます」

「あ…、はーい」

その後、彼が研究室に来ることはありませんでした。

これだけ読むと、不正をしたことは自覚していて、バレているかどうかカマをかけたのではとも考えられ得るのですが、以前あったケースが思い出されます。

同じく、「レポートで不正をした人たちがいます。その人たちは0点です。初めてならば再提出を認める」としたところ、名乗り出て来ない学生の方が多数でした。名乗り出なかった学生の中の一人は、その他の課題や試験に未提出や点数が低い等で、総合評価が60点に至らず、結果不可となりました。

この学生は成績に関する質問期間(実質的に不服申立期間)にも特に問い合わせても来なかったのですが、次の学期、学内で顔を合わせた時に、

「先生!どうして僕は不可だったんですか~、単位が取れるだけの課題は出して、試験を受けたのに!成績表見てビックリしましたよ」

と、笑いながらですが不満を言ってきたのです。

この時も驚きました。自分がレポートで不正行為をして、授業中に誰とは言わずとも「これでは0点だ」と言われたのに、彼は「自分は単位が取れるはず」と考えていたのか。不正をしたことを、あれだけ言ったのに認識していなかったのでしょうか。あるいは今回の学生と同様、自分がどうレポートを書いたか、つまり不正をしたのかどうかさえ、すぐに忘れて、再提出云々の話をした時点で自覚していなかったのでしょうか。

とすると、今回「僕のレポートは何点ですか」と聞いてきた学生も、本当に忘れているのかもしれません・・・。

たった2週間ほど前に自分が書いたはずのレポート。自分で考えて書いたのか、写したのかさえ忘れるものでしょうか?

忘れるとすれば、よほど気の抜けた状態で書いていたのでしょうね。

最近、授業中の学生への問いかけを易し目にしようと、前回の授業のキーワードを問いかけることが多いのですが、これに答えられない学生の多いこと・・・。連続して5人に聞いて5人とも答えられない、というようなことも少なくありません。

授業をやるのが空しくなりますね。

教育困難大学で教えて何年も経ちますが、こういう良くない意味での驚きは未だに多いです。