転職先として他大学をどう判断するか
新年度に採択された科研費が、早くも検索サイトに反映されていますね。
不採択だった人の審査結果の詳細も発表されている様子。
ところで、転職活動中で、研究者の求人サイトであるJRECINのチェックを日課にしている私。
応募可能な公募が出た時に気になるのは、その大学の労働環境です。
贅沢を言うつもりはありませんが、あまりにひどいところには避けたいもの。
まず、近い将来潰れかねないところは避けます。これは、定員充足率や公表されている財務状況を見て「ヤバくないか」判断します。赤字だから一概にヤバいとはもちろん言えませんので、どういう類の赤字なのかも見ます。
それから、給料が安すぎるのもやはり躊躇します。私大の場合は国立大学の平均ぐらいは欲しい。40歳で700万、50歳で900万ぐらいでしょうか。
300万円台、400万円台という私大も今日日珍しくないようです。
しかし、各大学の教員の給与というのは、私大の場合あまり実態を知る術がありません。労働組合の資料にモデル給与が載っている場合がありますが、一部の大学のみです。
これは、凡その目安にしかなりませんが、財務状況に記載される教員人件費を専任教員数で割ってみます。それをやや差っ引いたものを目安とします。(退職金支給やら理事などの報酬が平均を上げている可能性は少なくないでしょう)
教員人件費と職員人件費を混ぜた記載しかない場合もありますし、それどころか、大学を経営する法人が高校や専門学校など他の事業も持っていて、それと混ぜている場合まであり、そうなるともうわかりません。
また、研究代表者として科研費を取得している件数も、「研究ができる環境なのか」を判断する参考になるかもしれません。
文系、理系など分野も影響するでしょうが、あまりに少ないと怖いです。
試しに、危険水域にあるのではないかと専ら噂の某大学を検索してみたところ、な、なんと…
今年度の新規採択件数は、ゼロでした。
我が教育困難大学でも、ざっと見たところさすがにゼロの年は無いようです。
頑張れば何とか研究できて、差し迫った倒産の危機はなく、国立大平均かそれ以上の年収がもらえる…少なくともそんな大学に、私は行きたい。(皆行きたいだろう)