科研費の使い勝手

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今年はめでたく科研費が取れた私ですが、使うにあたって本当に面倒ですね。

 

うちの大学(名前を明かす度胸はありませんが、某偏差値低めの中規模私大)の場合の使い方はこんな感じです。

図書 事前申請なしに購入OK.。ただし、書名入りの領収書が必要。(amazonなどで勝手に買える)

図書以外全て(出張旅費等含む) 事前に申請し、許可が出たら業者を通じて大学の担当部署が注文・支払い。ただし、割高な場合は研究者本人が立替払いで購入可。

図書及び一定額以上の物品は、寄贈届提出が義務付けられ、寄贈届がないと購入が許可されない(!!)。

仮払いは一切認めてくれない上に振り込みが1か月から2か月後になるため、立替払いが嵩んでクレジットカードの引き落としが大変なことになっています。パソコンを買ったり複数の出張費があったりしたもので。

せめてある程度の仮払いも認めて欲しいものです。

しかも、振り込まれる際はいくつか合算されているのに、それが何に相当するのか、いちいち経理に確認しなければ教えてくれないのです。

あまり細かに管理せず、クレジットカード会社や大学の経理に全幅の信頼を寄せ、ざっくりしたお金の流れでやっていく場合はそれでもいいかもしれませんが、私は全てエクセルに記録し管理しているので、教えて欲しい…。

 

そしてなにより、寄贈届。全くひどい話です。何なんでしょうこれは。

大学のカネではないのです。貴重な国民の税金を原資とし、研究者が研究の意義を認められて獲得した研究費です。なぜ、寄贈を強制されなければならないのか。

数年間の科研費の研究期間が終了しても、当然のことながら突然全くそれまでと違う研究を始めるわけではなくその後の研究も連続性があるので、特に図書など違う大学に転職しても持っていきたいのです。それが、貴重な研究費(税金)で購入した図書が一番活用される道なのはいうまでもありません。

ちなみにこれは、大学ごとのルールに過ぎず、それぞれのようです。

研究者に人気のある議員ランキングで上位にくいこむこと確実であろう、我らが河野太郎外相が文科省に問い合わせた結果、原則はこのようになっているとのこと。

 

>文部科学省より

>「研究期間終了後については、研究者と所属研究機関との間で、当該設備等の取扱に>ついて相談して対応いただくこととなります。

>なお、(文科省への)個別の問い合わせに際しては、例えば、研究機関側にて当該設備等を使用する見込みが無い等の場合、研究者の希望を踏まえた適切な判断を当該機関に>促しております。」

 www.taro.org

研究者が科研費の研究で使う図書なんて、(うちのような、同じ分野の研究者など1人か2人ずつしかおらず、研究をする院生も実質いない類の)大学においておいても活用される可能性は決して高くないと思われます。専門的過ぎて。

同じ分野の教員だって、同じ図書を研究で使うことなんてあまりないのでは。教育で使うような基本書は校費で買いますし。

私の場合は我が大学のローカルルールは横暴ですな。どのみち研究期間内に任期が切れるので、図書も備品も全て持って出るつもりです。次の所属先があればですが(笑…えない)。

(※研究機関に所属していなければ科研費はもらえなくなります)

 

 

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