奨学金の返済を終えた

ふと気づいたらまた随分とブログを放置してしまいました。

書きたいことはあるのに時間がないんですよね。フルタイムで働きながら毎日更新している人は本当にすごいと思います。

通勤時間などにスマホで少しずつ書いたりすれば良いのかもしれませんが、どうも、スマホで長文は書きづらい。

 

ところで、大変個人的なことですが、日本学生支援機構(旧育英会)の奨学金を、ついに全て返し終えました。

自分で思っていた以上に、感慨深いものがありました。学部生の頃から借りていたので、トータルでは確か一千万円近く。

しかし、幸いにも博士課程の分は「特に優れた業績による返還免除」で全額免除していただけました。(ちなみにこれは大学院生のみの制度です)

まあ、実際に院生時代の私の業績が特に優れていたかは…どうなんでしょうね。どうしたら返還免除の審査で評価してもらえるのかというポイントを押さえていったおかげという方が正しいかもしれません。指導教官のTAやRA、ボランティアを積極的にやるといった、業績なのか微妙なところも含めてなので。

 

最近まで返していたのは学部生時代の奨学金でした。借り始めてから約20年もかかったわけですね。大学院時代は返還を待ってもらっていた状態だったので、本来はもっとかかる予定でした。

これをなんとなく、独身時代の乏しい貯蓄を地道に運用して得た利益で返還していたんです。そうしろと言われたわけでも、夫婦で話し合ったわけでもありませんでしたが、個人的な借金(敢えて借金と書きます)だったので、なんとなくそうしていたのです。運用に失敗して返還できなくなったら、相談せざるを得ないなとは思いながら。

それに気づいた家人が、「もう全部返しちゃえば」と提案してくれ、100万円近い残額を一括で家計から返還しました。

 

その思い遣り、(未成年時代を含む学部の)学費を自力できちんと返し切ったこと、借金から解放されたこと、諸々の思いが心地よい満足感を与えてくれ、機構から届いた、ちょっと賞状風のデザインが施されたこのはがきをわけもなくじっと眺め続けてしまいました。

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正確に確認したことはありませんが、大学生のおよそ半数が奨学金を受けているとしばしば聞きます。それにも拘らず、近年特に「子供に奨学金を借りさせ、社会に出る段階で数百万円の借金を負わせることは可哀想だし、親として良くない」という論調が強いようです。

これを聞く度に、なんとも言えない気持ちになったものです。やむを得ない経済状況なら別でしょうが、私の親は、決して経済的に困っていたわけではなく、海外旅行が趣味で、いつもではなくとも、デパートで衣類や肉を購入することもしばしばあるような経済水準にありました。それでいて、大学院ならともかく、学部の学費を奨学金に頼るのか・・・と思わないでもありませんでした。

しかし今となっては、18歳から(100%ではありませんでしたが)自分の責任でここまで来たのだということはある種の誇りのように感じいていますし、親は親で自分の人生を楽しむことを犠牲にせず、独立した個人として互いに生きていけることは気楽だなと感じます。もしも、海外旅行に行きたいのに我慢して私の学費に投じてくれていたら、老後は全面的に私が責任を負わなければ、と感じていたかもしれません。

互いに自分の責任で人生を楽しんだり我慢したり努力すればいいととらえられるので、良かったとも言えるかなと思うのです。

また、all aboutなどの家計診断の記事を時々目にしますが、ファイナンシャルプランナーが、子供の学費を奨学金と想定している家庭に対し、「そうすべきではない」と回答していることがあるんですよね。それは家庭それぞれの考え方ではないでしょうか。FPが良し悪しを判断することかなと疑問に思わないでもありません。

とはいえ、これは負け惜しみ(?)かもしれませんね(笑)。自分の親は、「子供に借金を負わせたら可哀想だ、学部ぐらい親が出してあげよう」とは思わなかったのだな、と悲しいような気持になったこともあるわけで。厳しい中で子供の学費を出している親の立場の皆さんのことは尊敬します。

 

とにもかくにも、身軽になったのはうれしい!万歳!